マスタリング技術の進歩は、セルフマスタリングも可能にする?
2019年11月01日 13時27分
マスタリングの世界では、大きな技術的進歩があったとはいえ、古き良きアナログとデジタルが共存している状況です。ただ、フリーのDAWソフトウェアなど、誰にでもかんたんにオーディオを編集できる時代であることは確かです。
コンピューターが一般的になり、画像や動画の編集は、誰もが優れたアプリケーションを使って、プロ顔負けの画像を編集することができます。
音楽の編集においても同じようなことが言えます。音楽を、Photoshopで画像処理するように、DAWで編集することができます。
たとえば、写真を撮る場合、高機能の一眼レフカメラと社外品のレンズ、そして大容量のメモリーカード…はともかく、まずは写真がなければ話になりません。高性能カメラを用意し、アングルを決めて…多くの写真を撮り、ベストなものを選びます。
ただ、ここで終わるわけではありません。編集作業が待っています。画像をクロップする。色彩の調整、エフェクト処理などを経て、気に入る写真に仕上げます。
実はこのプロセス、オーディオのマスタリングプロセスと似ています。
マイクは画像編集のプロセスではカメラやレンズに相当するものです。また、写真撮影においても、音楽をレコーディングする際も、場所選び、スタジオ選びは大切な要素です。
レコーディングの際には、いい音を録るためにブランケットを用意したり、スクリーンを使ったりすることがありますが、写真撮影ではライティングがこの作業に当たるでしょうか。
ミュージシャンは、いわば被写体のようなものです。実際はミュージシャンが奏でる音が主役になるのですが、ミュージシャン選びは音楽制作において、「作りたい音を作る」ための重要な作業です。レコーディングはカメラで言う「撮影」。マスタリングを経てエクスポートされた音源は、撮影した写真の編集が終わり、プリントされたものと言うことができるでしょう。